フランスのテロ・治安詳細情報.001

 
フランス(首都パリ、観光地エッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿等)への旅行を検討中の皆様へ

本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、フランス(首都パリ、観光地エッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿等)への旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。

 

 
1.滞在時の各種届出等
(1)在留届等
 フランスに3か月以上滞在する場合には,居住地を管轄する日本国大使館または総領事館に在留届を提出する必要があります(旅券法第16条)。
 
(2)就労
ア フランスでは,90日以上の滞在や,90日以内でも就労目的で滞在する場合は事前に査証取得が必要であり,入国後速やかに居住地を管轄する役所(パリ警視庁又は各県庁,移民局(OFII)等)で「滞在許可証」の申請を行う必要があります。
 また,滞在許可証の申請から交付までの期間は,手続きをする役所によってばらつきがありますが,概ね3か月前後要します。また,滞在許可の更新についても同様に手続きをする役所により異なりますが,1年及び3年カードは少なくとも期限満了のおおむね1か月前,10年カードはおおむね3か月前から手続きを行うことになっています。なお,パリ市在住者の場合,パリ警視庁のホームページには4~5か月前に手続きを開始するよう記載があるので,ご留意ください。
イ フランスにおいては,外国人不法就労者に対する取締りが厳しく,就労に際しては労働許可が必要です。なお,フランスに学生の身分で滞在している人が就労する際には,雇用主が仏官憲に申請し,許可を得ることとなっていますが,全ての申請が許可されるわけではありません。取得に際しては,雇用主側が手続きを行いますので,雇用主に相談してください。また,ワーキングホリデー査証で入国した場合には,自動的に労働可能となっていますが,この場合でも,現時点では臨時労働許可証の取得が必要です(ただし,滞在許可証の取得は必要ありません。)。

(3)滞在許可期間を超える滞在や,滞在許可証を取得せずに滞在することは,いずれも不法滞在となり法律で罰せられます(1年の禁固及び3,750ユーロの罰金。さらに国外退去処分の上,最高3年のフランス入国禁止措置が適用されることもありますが,今後,法律の一部が改正になる可能性があります)。

(4)なお,査証を取得せずに入国した場合には,滞在許可証を取得することは基本的に不可能です。

(5)国際結婚をされた方の中には,様々な理由により外国での結婚生活が困難となり,離婚の問題や,子供の養育についてどのように対処するのかといった問題が発生する場合があります。フランスでは,一方の親の同意を得ることなく,他方の親が国外に子供を連れ去ることは刑罰の対象となり,連れ去り行為は連れ去った親のみならず子供にも大きな影響を与えることとなります。フランスと日本の親権制度の相違点の詳細は在フランス日本国大使館ホームページ(http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/taizai/soui.html )をご覧ください。

 
2.旅行制限
 軍事施設等への立入りは禁止されていますが,その他については特に制限はありません。軍事機関が指定し,かつ,特別の表示を付した禁止区域において,軍事機関の許可なく,描写,模写又は映像,音声若しくはあらゆる性質の信号の記録を行うと処罰されます。
 また,一般的に美術館及び教会では,フラッシュ及び三脚を使用しなければ写真撮影は可能ですが,美術館の中には,撮影を禁止している場合があります。

 
3.各種取締法規
(1)禁煙令
 2007年2月1日より禁煙令(保健省令)が施行されたため,フランス全土において公共施設等での喫煙が禁止され,違反者には罰金刑が科せられます。

(2)飲酒運転
 政令により2012年7月1日から原付バイクを除く全ての車輌内にアルコール摂取量の検査器具(Ethylotest)を常備することが義務付けられました。実施は同日から始まり,同年11月1日以降は違反者への違反切符が切られますのでご注意ください(罰則金11ユーロ)。なお,検査器具は,アルコールを供する飲食店,薬局,スーパー,オートショップ等で販売しています。

(3)麻薬
 麻薬類の取締りは非常に厳しく,空港,駅,国境等においては,密輸防止のため警察,憲兵隊,税関等による徹底した監視が行われています。
 コカイン,大麻,ヘロイン,覚醒剤等の麻薬類に関する法規制は,刑法及び公衆衛生法に基づき行われており,麻薬の定義に該当する薬物であれば,その種類のいかんを問わず同一の犯罪とされ同一の法定刑に処されます。
 麻薬の運搬,所持,提供,譲渡,取得,輸入等に関与した者は,刑法により10年以上の拘禁刑及び罰金刑が科せられることとなり,また,麻薬を自己使用した場合,公衆衛生法により禁固1年及び3,750ユーロの罰金刑が科せられます。さらに,外国人の場合は,10年から最高で無期限のフランスへの入国禁止処分が言い渡されることがあります。街頭で麻薬購入を誘いかけられるケースもありますが,犯罪に巻き込まれないよう,声を掛けられても毅然とした態度で拒否してください。

(4)集合行動
 公共の場において,公の秩序を乱すおそれのある集団は,すべて不穏な人だかりとされ,治安当局による解散の警告後,この人だかりに任意に参加し続ける行為は,1年の拘禁刑及び15,000ユーロ以下の罰金を科せられることがあります。また,暴力行為がみられる場合,さらに治安当局による警告を無視した場合などは3年から5年の拘禁刑及び45,000から75,000ユーロの罰金刑が科せられることがあります。なお,外国人がこの行為で有罪とされた場合,10年から無期限のフランスへの入国禁止処分が言い渡されることがあります。

(5)身分証明書の携行
 原則として,身分証明書(外国人旅行者の場合は旅券)の携行が義務付けられています。警察官等から身分証明書の提示を求められた場合に,提示を拒む,あるいは携帯していないため身分の証明ができない場合には,警察署等への同行が求められ,場合によっては最長24時間留置される可能性もあります。さらに,身分証明書の提示を拒否した場合は逮捕されることもあります。一方,旅券を常に携帯すると盗難に遭う危険性もあるので,旅券そのものはホテル(フロント)のセーフティボックス等の安全な場所に保管し,必要な場合に備えて旅券のコピーと「ホテル・カード」を携行するよう心掛けてください。

(6)危険物の携行
 フランスでは「公共の安全に危険な武器となる可能性のあるすべての物品」は規制の対象となっており,銃器,刃物や催涙スプレーを正当な理由なく携帯することは法律で禁じられています。

 
4.その他の滞在時の注意事項
 その他の主な注意事項は次のとおりです。万一に備えて,必ず海外旅行保険に加入してください。
(1)ホテル滞在中に外出する際は,ホテルの住所及び電話番号等が明記された「ホテル・カード」を携帯する。

(2)旅券は必要なとき以外は持ち歩かず,コピーを携行し,旅券そのものを携行する場合は,外部から見えない内ポケット等に入れ,ズボンの後ろポケットやバッグの外側のポケット等盗まれやすい場所には絶対に入れないようにする。

(3)現金,クレジットカード,トラベラーズ・チェック,航空券,海外旅行保険の加入証などをまとめてバッグ等に入れておくことは,万一バッグそのものが盗難に遭った場合は全てを失うことになるので,極力分散して携行するよう心掛ける。

(4)不特定多数の人が集まる空港,地下鉄,駅,観光地等では,高価な貴金属類は身に着けないようにする。また,スリや置き引き等に十分注意し,できる限り手荷物から手を離さない。手を離す場合でも絶対に目を離さない。

(5)観光地であっても,人通りの少ない路地等には入らない。夜間の外出はできるだけ避ける。いわゆる危険とされている場所には近づかない(特に,深夜,早朝の地下鉄や地下通路では暴力的な犯罪に巻き込まれる可能性が高い)。

(6)自分を凝視する人物や,尾行してくる人物は,犯行のすきをねらっているものと考え,直ちに安全な場所に止まって相手をやり過ごすか,人通りの多い場所を歩くようにする。

(7)ホテルのフロントで,チェックイン,チェックアウト等の手続きをしているときに足下に置いた荷物を置き引きされたり,レストランで食事中にバッグ等を置き引きされたり,椅子の背もたれと腰の間に置いた荷物を盗られたりする事件が多発しているので,テーブルや椅子にバッグ等を不用意に放置しない。

(8)ホテル等に滞在中,心当たりのない人物の訪問がある場合は,不用意にドアを開けずに,必ずドアスコープで相手を確認し,不審に思う場合は,フロントに連絡する。外出の際は,貴重品を部屋に放置せずに,フロントのセーフティボックスを利用する(客室内のセーフティボックスが持ち去られる事件が発生しているので,現金,貴金属,旅券,航空券はできればフロントのセーフティボックスに預けることが望ましい)。また,ドアは外出時のみならず在室時も施錠し,スーツケースは,貴重品を入れていなくても鍵をかける。なお,ユースホステル等で相部屋の場合は,トイレ・浴室を使うときでも貴重品は部屋に放置せず,必ず携行する。

(9)自動車に乗車したら,まずドアをロックする。

(10)自動車で走行中も車外から見える場所や車外から手を伸ばして取られやすい場所に貴重品の入ったバッグ等を放置しない。また,駐車中に車内に貴重品を残したまま離れない。

(11)自動車走行中は後続車両,特に不審なオートバイに乗った2人組には注意する(2台以上のオートバイで犯行に及ぶ場合もあるので,1台が通過したからといっても油断は禁物)。

(12)警察の検問等以外で見知らぬ人物から車の停止を求められても無視する。

(13)降車する際は,車両の前後左右を十分に確認してからドアロックを解除する。

(14)車のトランクに荷物を入れるときは,周囲をよく観察し,荷物の存在を知られないようにし,極力,貴重品を入れないようにする(例えば,ホテルをチェックアウトした後,荷物を積んだまま市内観光を行ったりせず,可能であれば出発までホテルのクローク等に預けるようにする)。

(15)路上駐車は,車上荒らしに遭遇する可能性が高いので,管理人の常駐する駐車場を利用する。

(16)自家用車であれば,防犯アラームを取り付けるなど十分な予防措置をとる。

(17)空港からパリ市内へは,RERのB線は利用せず,バスまたはタクシーを利用する。なお,タクシーを利用する場合でも,上記●犯罪発生状況,防犯対策【パリ】2.(2)に気を付ける。

(18)繁華街に赴く場合は,現地事情に精通した者と一緒に行動するか,店の入口などに価格が明示されているカフェやブラッスリーを利用する。

(19)デモ等の現場に近づかないように留意し,また,万一遭遇した場合は,デモに巻き込まれることのないよう十分注意する。

 
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=170)

 

 

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