コロンビアとの国境地域では,犯罪組織のメンバーが麻薬の密輸等を行っており,治安当局と銃撃戦になるケースもありますので,不要不急の渡航は止めてください。また、パナマ市内では,銃器を用いた殺人等の凶悪事件が発生しておりますので,十分注意してください。

 
1.概況
(1)南米から北米及び欧州に向けた麻薬密輸ルート上に位置するパナマには,近隣諸国の麻薬組織が浸透しています。コロンビアとの国境地域では,同国から犯罪組織のメンバー等が麻薬密輸目的でパナマ国内に侵入を繰り返しています。最近では,麻薬取引を巡る麻薬組織間の抗争を背景とした銃撃・殺人・強盗事件が白昼のパナマ市内のショッピングモール等,日本人が訪れる場所でも発生しています。

(2)パナマ全土では,いわゆる「パンディージャス」という若者が主に構成する凶悪犯罪集団が,麻薬組織と密接な関係を持ちながら,麻薬取引や銃器の拡散等を行っています。こうした構成員を一掃するため,パナマ治安当局は様々な対策を施していますが,凶悪犯罪は絶えず発生しています。中には,8歳の児童による銃器を用いた強盗事件が発生するなど,犯罪の低年齢化も懸念されます。

(3)これまでに,パナマにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

 
2.地域別情勢

(1)ダリエン県,エンベラ自治区及びクナ・ヤラ自治区の各一部及びコロンビアとの国境地域
:「不要不急の渡航は止めてください。」(継続)

ダリエン県,エンベラ自治区及びクナ・ヤラ自治区の各一部及びコロンビアとの国境地域は,治安当局の監視が十分行き届かない密林地帯であるため,コロンビアから越境してくる犯罪組織のメンバーが麻薬の密輸等を行っており,治安当局との間で銃撃戦が発生することもあります。また,国境から約50km離れたダリエン県ハケ地区の太平洋沿岸付近では,麻薬組織が麻薬輸送ルート(積み荷ポイント)の発覚防止や自衛のため,対人地雷を設置している可能性があります。従って,これら地域への渡航は相当な危険が伴いますので,同地域への不要不急の渡航は止めてください。上記の情勢にもかかわらず,やむを得ない理由で渡航する場合には,最新の治安情報を入手するとともに,必要に応じて警護員を付けるなどの適切な安全対策を講じ,危険を回避するよう心掛けてください。

(2)チリキ県ダビ市,西パナマ県ラ・チョレーラ市,同アライハン市,パナマ市,サン・ミゲリート市及びコロン市
:「十分注意してください。」(継続)

ア チリキ県ダビ市,西パナマ県ラ・チョレーラ市及び同アライハン市は,パンディージャスによる犯罪等により,凶悪犯罪が増加傾向にあります。チリキ県は,パナマ県,コロン県に次いでパンディージャスが多く,その大部分がダビ市で活動しています。西パナマ県は,パナマ県に次いで殺人件数が多く,パンディージャス間の対立抗争が,ラ・チョレーラ市やアライハン市でも発生しています。こうした場所では,対立抗争が突如発生することがあり,流れ弾の被害に遭う可能性があります。

イ 犯罪総件数の過半数がパナマ県内で発生しており,その多くが人口密度の高いパナマ市内に集中しています。特に注意を要する地域は,パナマ市エル・チョリージョ地区,サンタ・アナ地区,カリドニア地区,クルンドゥ地区,サン・ミゲリート市(パナマ市に隣接)及びコロン市です。
これらの地域では,銃撃殺人等の凶悪事件が発生しています。とりわけ,パナマ市内の観光名所カスコ・アンティグオに近接するエル・チョリージョ地区及びサンタ・アナ地区には,犯罪組織とつながりのあるパンディージャスが多く存在し,対立抗争を繰り広げています。また,コロン市の場合,とりわけスラム化した中心街において,路上を歩く日本人旅行者がパンディージャスに取り囲まれ,凶器を使用した強盗に遭う事件も発生しています。
なお,日本人旅行者の関係する犯罪被害の多くは,パナマ市内のアルブルック・バスターミナル(長距離バス等の発着駅)と観光名所カスコ・アンティグオの間に所在する特別注意エリア(http://www.panama.emb-japan.go.jp/jp/security-information/?p=map )で発生しています。その主たる原因は,コスタリカから長距離バスでパナマに入国した日本人旅行者が,アルブルック・バスターミナルから流しや待合のタクシーに乗り,特別注意エリア内の安宿を安易に利用していることにあります。やむを得ず同地域に立ち入らなければならない場合は,現地の知人の方と共に行動したり,複数で行動してください。
つきましては,これらの地域へは,昼夜を問わず徒歩で立ち入らないようにするとともに,状況に応じて適切な安全対策を講じるよう十分注意してください。

 
3.滞在に当たっての注意

滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,日本国外務省,在パナマ日本国大使館及び現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努めてください。

(1)現地に3か月以上滞在する方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく在パナマ日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はパナマを去る(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。なお,在留届の届出は,在留届電子届システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ORRnet/chui.html)からも行うことができます。また,郵送,FAXによっても届出を行うことができますので,在パナマ日本国大使館まで送付してください。

(2)比較的安全と言われているパナマ市の新市街においても,集住する富裕層を狙った強盗・窃盗事件が発生しています。多額の現金や貴重品は携行せず,「ながらスマホ」や支払時に財布や紙幣の束を見せるなど他人の目を引くような行動は取らないよう気を付けてください。特に,ATMでの現金引出しの際は周囲の状況に十分注意が必要です。最近,新市街でも,パンディージャス等による銃撃事件が後を絶たず,時間や場所を選ばず繰り返されている状況にあります。外出の際は,こうした情勢を踏まえ,周囲の状況に細心の注意を払ってください。

(3)タクシー運転手または乗り合い乗客を装った者が,乗客を銃等で脅して金品を強奪する事件が頻繁に発生しています。見知らぬ人との相乗りは避け,昼夜を問わず流しや待合タクシーの利用は控え,無線タクシー等を利用してください。

(4)多数の人が集まるレストラン,ショッピングモール,観光スポット等において,すり,置き引き等の窃盗事件が発生しています。荷物は目の届く範囲に置くことはもちろん,常に肌身から離れないよう心掛けてください。また,釣り銭をばらまいて注意をそらせた上で,鞄を窃取するといった犯罪も発生しています。

(5)パナマ市等では短時間誘拐(被害者を一時的に拘束しATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放する)が発生しています。誘拐の被害を未然に防ぐため,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」の3原則を守るようにしてください。

 
在パナマ日本国大使館

 
出典:外務省海外旅行登録「たびレジ」提供情報を加工して作成

 

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