昨年も髄膜炎は北西部で大きな流行があり,今後の動向を注視する必要があります。
1 髄膜炎の発生状況と現状
(1)3月1日付報道によりますと,ニジェール国境に接するカツィーナ州で髄膜炎が発生し,死亡者7名,患者数107名が報告されています。
(2)2016年末よりナイジェリア北西部州を中心に流行があり,5月末までに患者数1.4万人以上,死亡者千人以上が報告されました。保健省,WHOが大規模なワクチン接種キャンペーンを行い,7月に収束宣言が出されていました。今回も大きな流行となる可能性があり,今後の動向を注視する必要があります。
2 髄膜炎について
(1)感染源
髄膜炎菌保菌者からの飛沫感染(カゼと同様の感染)により感染します。
(2)症状
頭痛・嘔吐・発熱・意識障害の症状が急激に進行し,早期の治療がなされない場合,2日以内の死亡率は10%を超えます。
(3)予防
予防はワクチン接種ですが,髄膜炎には複数の血清型があり,血清型が異なると効果がありません。昨年ナイジェリア国内で流行した髄膜炎は多くがC型,一部がA型(Yobe州)。日本で予防接種を行った場合,これらはカバーされていますが,外国で接種した場合,これらをカバーしていない旧型ワクチンの場合もあるので確認が必要です。また,カゼと同様の飛沫感染ですので,発熱者には不用意に接触しないよう注意してください。
(4)治療
早い段階でのペニシリン系抗生物質による治療が必要です。
在ナイジェリア日本大使館
出典:外務省海外旅行登録「たびレジ」提供情報を加工して作成