ハノイ、ホーチミンへ観光目的での旅行をお考えの皆様へ
本記事では日本国外務省にて紹介されているハノイ、ホーチミンでの日本人の犯罪被害事例をご紹介致します。
犯罪被害危険地域
以下の地域でトラブルに巻き込まれる旅行者等が多いようですので留意してください。特に夜間は大通りから入り組んだ小路(路地裏)を歩くのは避けてください。
(1)ハノイ
スリ,ひったくり等盗難被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺,旧市街,ドンスアン市場,ハンガイ通り,統一公園周辺,キムマー通り,リンラン通り,ダオタン通り,大規模ショッピングモール,バスターミナル等
置き引き被害多発地域等
ホアンキエム湖周辺,旧市街,ホテルロビーやレストラン,大型ショッピングモール,空港,列車,バス内等
(2)ホーチミン
ひったくり被害多発地域
グエン・フエ通り,パスター通り,ドン・コイ通り,ハイ・バー・チュン通り, トン・ドック・タン通り,チャン・フン・ダオ通り,レ・ライ通り, レ・タィン・トン通り,ベン・タイン市場周辺等
スリ被害多発地域
グエン・フエ通り,ベン・タイン市場等の市場,ドン・コイ通り, ハイ・バー・チュン通り,レ・タィン・トン通り,大規模ショッピングモール等
置き引き被害多発地域等
市内の公園,ホテルロビーやレストラン,大型ショッピングモール,空港,列車,バス内等
恐喝・睡眠薬強盗被害地域
バック・ダン公園,サイゴン大教会,統一会堂前の公園,2区~7区(フーミー橋),10区,タンビン区,フーニャン区,ビンタン区,ゴーバップ区,トゥードゥック
日本人が巻き込まれやすい犯罪やトラブル等
(1)ひったくり
セカンドバッグ,アタッシュケース,ポーチ等を持って歩いている人を狙い,後方からバイクに乗った2人組が近づき,追い越しざまにバッグ等をひったくり,逃走するといった手口が,旧市街地等の繁華街を中心に発生しています。また,たすきがけにしているバッグを強引に奪おうとする手口も散発し,被害者が倒されたり引きずられたりして,怪我をする被害も発生していますので十分な注意が必要です。
さらに,タクシーやシクロ(三輪自転車タクシー)に乗り降りしているとき,バイクに乗った犯人に手荷物をひったくられる事件も発生しています。乗物の乗降時にも注意と警戒が必要です。
(2)スリ
(ア) 混雑した市場や路上,大規模ショッピングモール,長距離バスや列車等の車内で,バッグや財布,スマートフォンなどを奪われる被害が発生しています。気付かないうちにバッグやウエストポーチから財布等を奪われる例もあります。
(イ) 集団スリに遭う被害も発生しています。旅行者をそれとなく取り囲み,その中の1人が旅行者の注意を引いている間に,仲間がバッグや財布を窃取するというもので,親しげに近づく女性(売春婦を装う)には特に注意が必要です。また,目の前で自転車を倒すなどして旅行者の注意を引きつけ,隙をみてポケットやバッグから財布をすり取る等の巧妙な手口もあるようです。特にハノイやホーチミンなどの混雑する場所では注意が必要です。また,スリ集団の中には日本語を解する者がおり,日本語で話をしている団体を見つけては,スリを繰り返しているとの情報もありますので,団体で行動していても安心せず,周囲の状況に配意してください。
(3)置き引き
ホテルや空港のロビー,レストラン,大規模ショッピングモール等で置き引き被害が発生しています。チェックインの手続中や,ロビーで人に話しかけられたとき,レストランでトイレに立ったとき,民族舞踊を観賞しているとき,公園のベンチで一息ついているとき,空港で出入国手続きを行っているとき等にバッグ等の手荷物をカウンター,テーブル,椅子の上や床等に置いて目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物から絶対に目を離さないことが肝要です。また,ホテルから外出する際には,貴重品が入っていなくても,室内に残すスーツケースは必ず施錠するよう心がけてください。
(4)いかさま賭博詐欺
近年発生は減少傾向にありますが,過去に発生した典型的な手口は次のとおりです。
(ア) 日本人旅行者が観光地を散策しているとシンガポール,フィリピン又はマレーシア出身(別の出身地の場合もある)と称する人物から片言の英語や日本語で話しかけられ,親しくなったところで,自宅に招待すると言われ,知らない場所へ案内される。
(イ) 食事などをしていると,外国のカジノでディーラーをしている叔父(又は兄)等と称する男が現れ,カード・ゲーム(ブラックジャック賭博)のやり方や,いかさまの方法等を教えられ,いかさま賭博に協力するよう依頼される。
(ウ) その後,金持ち(友人)と称する別の男が現れ,実際にゲームが始まり,最初は勝負(ゲーム)に勝ち続けるが,賭け金が大きくなるにつれ負けが込み,最終的には,旅行者の手持ちの現金が足りなくなるとホテルに現金を取りに帰らせたり,クレジットカードで貴金属を買わされたり,キャッシングをさせられたりする。
都市部周辺における発生が多く,特にホーチミンにおける被害報告の多さは顕著です。見知らぬ人からの自宅への招待や食事の誘いには応じないことが大切です。
(5)睡眠薬強盗
観光スポット等において,親しげに声をかけられ飲食(酒)をともにした際,飲み物(睡眠薬入り)を勧められ,現金やクレジットカード等を奪われる被害が発生しています。意識が戻った時には24時間以上経過していたり,病院のベッド上であったり,身体が傷だらけであることもあり,中には盗まれたクレジットカードを不正使用され,後刻同カード会社より多額の請求を受けたという例もあります。また,少量の睡眠薬を飲まされ,意識がもうろうとしたところで,ATM機まで連れて行かれ,現金の引き出しを強制される例も報告されています。
声をかけられるきっかけは様々で,深夜ホテルで自室にマッサージを頼み,マッサージ嬢と一緒にビールを飲んだところ,意識を失い,目覚めてから気がつくと所持金がすべてなくなっていたという例もあります。前述の「いかさま賭博詐欺」同様,見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにするのはもちろんのこと,初対面の人物には常に警戒心を持ち,安易に飲食などをともにしないよう注意することも肝要です。
(6)強盗
国内各所で発生しており,その形態・手口も様々です。いきなり路上で殴られる,ナイフなどの凶器を突きつけられて金品を強奪されるなどの手口が発生しています。また,中心部の裏通りを歩いていたところ,突然英語で声をかけられ,一瞬足を止めた隙に後ろから両腕を押さえられ,財布から所持金を奪われる事案も発生しています。
都市部では,タクシー乗車中に運転手から恐喝を受ける「タクシー強盗」の被害も発生しており,注意が必要です。
万が一,強盗被害に遭った場合には,抵抗したり大声を上げたりせず,落ち着いて対応し,身の安全を第一に考えて,冷静に行動してください。
(7)人身売買,連れ去り事案
人身売買取引や幼児の連れ去り事案も発生しています。近年,邦人が被害に遭ったという報告はなされていませんが,巻き込まれないよう,行動をパターン化しない,幼児から目を離さないなど日頃から注意を払うようにしてください。
(8)その他の邦人犯罪被害事例
(ア) バイクタクシーの運転手に誘われ,カフェに入りビールを4本飲んだだけで数百米ドルを請求された。法外な値段のため警察へ行こうとしたところ,店員2人に殴られ,所持金を取り上げられて店を追い出された。
(イ) バイクタクシーの運転手にメコン河クルーズに行かないかと誘われ,1日10米ドルという約束で承諾した。クルーズ後,船頭から「この船は,100人乗りで1日1,000米ドルの料金だ。今日は2人で貸し切っているのだから500米ドルずつ支払え。」と言われ,拒否すると「支払わないと岸には返さない。」と支払いを強要され,法外な料金を支払わされた。
(ウ) ホーチミン市内の中央郵便局で現地の男から英語で話しかけられた。男にバイクで食堂や寺院を案内された後,自宅に誘われ飲食をともにしたが,売春宿への同行を勧められたので拒否すると飲食代,バイクでの送り代として数百米ドルを請求された。
(エ) 市街地を散策していると「ガイドをしてあげる」などと言って現地の男が近づいてきた。そのまま一緒に付近の飲食店や土産物屋に連れて行かれ,相場よりかなり高い料金を請求されたので,「ガイド」に相談しようとすると,既に「ガイド」は何処かに行っていなくなっており,法外な料金を支払わされた。
当地での滞在を満喫するためにも、まずは「自分の身は自分で守る。」という意識を持ち、安全対策には万全を期してください。
出典:外務省ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=015)