タイのテロ・治安詳細情報.001

 
バンコク、チェンマイへ観光目的での旅行をお考えの皆様へ

本記事では日本国外務省にて紹介されているバンコク、チェンマイでの日本人の犯罪被害事例をご紹介致します。

 

 
タイ国内,特に首都バンコクにおいて,日本人が犯罪被害に遭う例が後を絶ちません。バンコク都内では,特に旅行者が集まる観光スポットや繁華街,デパート等大型商業施設周辺,若い単独旅行者が利用するゲストハウス(安宿)周辺において,犯罪が多発しています。

また,チェンマイ市内でも,旧市街を中心に旅行者を狙った犯罪が発生しています。特に夜の繁華街では十分な注意が必要であり,カラオケ店でのぼったくり被害も発生しています。また,不用意に狭い路地へ入り込むことは危険です。

 

(1)睡眠薬強盗

有名な観光スポット等において,親しげに声を掛けられ,飲食(酒類,ソフトドリンク)を共にして気を許した頃に睡眠薬入りの飲み物を勧められ,知らずに飲んで意識が朦朧となったところで,現金やクレジットカード等を奪われるケースです。

中には,盗まれたクレジットカードを不正使用され,後刻,カード会社より多額の請求を受けたというケースもあります。

最近では,バックパッカー風の若者が集まるカオサン通りで,タイ人女性と知り合い,ホテルの一室において,薬物が混入された飲食物を食べたことにより,昏睡状態に陥り,現金や所持品を奪われ,意識不明の重態となり,入院するという深刻な事件も発生しています。

旅行または滞在中,見知らぬ人(特に女性)から声をかけられたり,飲食,お菓子等をすすめられたりしても,「これは,おかしい。睡眠薬強盗では?」という警戒心を持ってください。

 

(2)見せ金詐欺

南アジア系犯罪グループによる,通称,「見せ金詐欺」という手口による窃盗犯罪のケースです。昼夜を問わず,スクンビット界隈で発生しています。まず,声掛け役の犯人(主に男性)が,親しげに,「日本人ですか?今度,日本に行きます。1ドルは日本でいくら位ですか?その前に日本のお金見てみたい。OK?」等と英語と日本語を交ぜながら近づいて来ます。

つい,財布を渡してしまうと,相手が,「これが日本のお金ですか?」等と会話をしているうちに,その男性の知り合いと思われる別の男性(女性と子供の家族を装う場合もある)が1,2人現れます。この男たちが,被害者の視界を遮った上で,財布からお金を抜きとり,最後に何事もなかったように「ありがとう。」と言って,財布を返します。被害者側は,暫くして財布の中身を確認してはじめてお札が数枚無くなっていることに気がつきます。

 

(3)宝石・洋服(オーダースーツ)のキャッチセールス

宝石・洋服(オーダースーツ)のキャッチセールスは,タクシーの運転手が,有名な観光スポットである王宮や寺院等の周辺で,声を掛けるケースが殆どです。宝石店やオーダーメイドのスーツ店に連れて行かれ,店員から,「タイ北部で産出した貴重な宝石です。日本で高く売れます。」,「カシミア(タイシルク)100パーセントのスーツ(シャツ)です。」等強引に商品を売り込まれます。商品を購入(洋服であればオーダー)した後に,商品を冷静に調べると,粗悪品や自分の希望と異なる商品を購入したことに気がつきます。タイ警察は,このようなケースを,商取引上のトラブルとして扱うことが殆どです。また,契約書(オーダーフォーム)に「返品(返金)不可」と記載されていて,後日,何らかの理由で商品に満足できない場合であっても,店側から返金を受けることが難しいのが実情です。

このようなキャッチセールスには乗らず,商品の購入の際は,慎重に検討した上で,信用のおける店舗で購入して下さい。なお,キャッチセールスを行う者はタイ人だけではなく,最近は,アジア系,白人系の外国人も増えてきています。

 

(4)わいせつ犯罪

夜間,女性が一人でタクシーやバイクタクシーに乗車した際に,車内で運転手からけん銃やナイフなどの凶器で脅かされたり,わいせつ目的で連れ回されたりする事件が発生しています。また,旅先で親しくなった男性から突然わいせつ行為を受ける事案も発生しています。

強制わいせつ等の性犯罪は,プーケット,ピピ,ラン島等のビーチリゾートで発生しており,女性旅行者が,被害者となるケースが多いと言われています。パンガン島に渡る船の中で女性旅行者を狙ったわいせつ行為や,ビーチボーイと呼ばれる海岸で働く若い男が砂浜で女性を物色し,マッサージや飲食物等サービス行為を行う際に,性的関係を強要するという事案があります。性犯罪の被害者は,被害を申告しないことが多く,性犯罪を潜在化させる原因にもなっていると言われます。また,地方ばかりではなく,バンコク都内でも発生しています。この他,最近はバンコク都内の電車内及び長距離鉄道内での痴漢行為も発生しています。

夜間,不必要に出歩かないということが犯罪被害を避ける基本になりますが,どうしても出かける必要がある場合には,なるべく一人歩きを避け,遠回りでも幹線道路など明るくて広い通りを利用するように心掛けてください。女性が特に単独でタクシー等に乗車する際は,車番や運転手の名前を控える等慎重に対処してください。

また,「肌を露出した服装をしない」,「相手が勘違いするような曖昧な態度を取らない」など自らの行動を律することも重要です。

 

(5)スリ

集団スリ

バンコク都内のデパート,駅等において,被害者がエスカレーターや階段を利用した際に,スリグループが前後を挟み,前方の者がつまずくふりをして,被害者が立ち止まるような状況をつくります。その後,後方の仲間が将棋倒しになって被害者に体を押しつけ,その際に被害者のポケットやウエストポーチ等から財布を抜きとるという手口です。なお,前後を挟む犯人グループは女性や子どもの場合もあります。

抱きつきスリ

夜間,スクムビット,タニヤ,パッポン,ナナプラザなどの繁華街やカオサン通りで,いきなり,タイ人(派手な服装の女性グループや女装した犯人)が,騒ぎながら抱きついたりします。それに気を取られていると,別の犯人が現れ,被害者の腕を両側から羽交い締めにして,動きを封じ込めます。その上で,別の犯人が,ポケットやウエストポーチ等から財布等を抜き取ります。

その他のスリ

タイ北部では,チェンマイ市街のナイトバザール,サンデーマーケット(歩行者天国)等混雑する場所において,スリや置き引きの被害が発生しています。

また,バンコク都内を中心に,窃盗団によると思われる盗難事件が発生しています。窃盗団は,5人から10人位の人数で,チームワークが良く,役割分担が出来ており,リーダーを中心に,被害者を見つける役,見張り役,逃走を助ける役,受け取り役等がいるようです。代表的な手口として,「実行役」が,口の中に仕込んだ小型の刃物で,被害者のバック等を切り裂き,中から抜き取った財布等金品を「受け取り役」に手渡す等,それぞれが連携して犯行を行い,現場から立ち去ります。これらの犯罪は,有名寺院,王宮の周辺等で発生しており,外国人観光客が主な犯罪のターゲットになる傾向があります。

バッグ等は体の前でしっかり持つ,現金・貴重品は分散して保管する,多額の現金は持ち歩かない,万一に備え,海外旅行保険等に加入しておく等の対策が重要です。

 

(6)窃盗,置き引き,ニセ警官

チャトチャック市場(ウイークエンド・マーケット)やデパート,ホテル,空港,バス等の混雑する場所において,バッグを切り裂かれ,中の貴重品を抜き取られる事件が発生しています。

また,ホテルのビュッフェ形式のレストランやロビー,屋台において,貴重品から目を離した隙に,バッグ等を盗まれる事件が発生しています。

中東又は西洋人風の男性が私服警察官を装って近づき,外国人の事件を捜査中であると言いつつ,持ち物を検査する際に,財布から現金を抜き取るという手口もあります。

 

(7)バイクを利用した犯罪及び路上強盗の手口

ひったくりは,歩行中,バイクに乗った犯人が後ろから近づき,ハンドバッグ,ショルダーバッグ等を奪い取っていくものです。被害者が抵抗したところ,引き倒されて背後から刃物で刺されるという事件も発生しています。

近年,バンコク都内を中心に,「デックウェン」と呼ばれる若者の集団(暴走族)が社会問題となっています。彼らの無軌道振りは,新聞等でも報道されています。夜間,バイクの爆音を響かせて走行し,強盗,殺人,恐喝,窃盗,薬物等の犯罪を敢行します。一般市民に対する犯罪の他デックウェン同士の抗争により,死者が出ることもあります。2013年12月にモーチットバス停付近で地元住民とデックウェンの抗争事件が発生した際,刃物,銃が使用され,死者が出ています。

路上強盗は,夜間,裏通りやひと気のない公園を歩いている際に,いきなり棒で殴られたり,ナイフで脅されて所持品を奪われたりするケースが報告されています。最近では,夜間にバンコク都内サトーン通りを歩行中,6~7名の集団に襲われ,棒状の物で殴打され,全身打撲の負傷を負わされた上,旅券,現金,クレジットカード等を奪われるという被害が発生しています。

 

(8)いかさま賭博

様々な手口で賭博に誘われ,金品をとられるケースです。

例えば,「妹が日本に留学するので,日本の事情を話してあげてほしい。」等と親しげに話し掛けられ,自宅と称する建物に巧みに案内されます。家に着いても妹はおらず,暇つぶしにトランプゲーム(ブラックジャック)に誘われ,さらに,「上手な勝ち方(いかさま)を教える。まもなく金持ちのブルネイ人がブラックジャックをするために来るので,一緒にそいつからお金を巻き上げよう。」といかさま賭博に誘われるケースがあります。被害者が話に乗り,ゲームを始めると,最初は勝ち続けるものの,最後の勝負で多額の金額を賭けることとなります。所持金では賭け金が足りないことからクレジットカードで貴金属を購入して現金化し,莫大な金額を賭けるが,最終的に負けるか,又は勝ったところで,「続きは明日やろう。」等と言われます。そして賭け金や担保となる貴重品(時計,カメラ,パソコン及び携帯電話等)をその場に残すよう言いくるめられて,ホテルに送られるものの,翌日の約束の時間になっても迎えに来ないといったケースもあります。(これらの手口は状況により変わることもあるようです。)

 

(9)契約トラブル

業者との契約前に必要経費を事前に請求され,支払後に相手と連絡が取れなくなる等の契約トラブルや悪質な業者による航空券代金詐取,偽査証の作成等のトラブルが発生しています。

相手を容易に信用せず,公的書類を取り寄せるなどして先方の身元や背景を確認することが肝要です。先方の言動等に少しでも疑わしい点がある場合は,求めに応じて安易に支払うこと等はしないでください。

 


 
当地での滞在を満喫するためにも、まずは「自分の身は自分で守る。」という意識を持ち、安全対策には万全を期してください。

 
出典:外務省ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=007)

 

 

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