サンクトペテルブルクへ観光目的での旅行をお考えの皆様へ
本記事では日本国外務省にて紹介されているサンクトペテルブルクの治安情勢と日本人の犯罪被害事例をご紹介致します。
犯罪発生状況
サンクトペテルブルク市の犯罪の発生件数は,統計上年々減少しており,治安は回復傾向にあると言われています。しかし,日本と比較すると犯罪の発生率は依然高い数値を維持しており,殺人や強盗,武器や麻薬の押収事案等,日常生活を脅かす危険な犯罪は日々発生しています。さらに,市内中心部では無許可デモも定期的に行われるなど,現状として治安は決して良好とは言えません。また,同地は市内中心部一帯が世界遺産に登録された観光地であり,特に夏季は世界中から多くの観光客が訪れることから,日本人に限らず,外国人観光客をねらった犯罪の被害も多く報告されています。
日本人の被害例
最も被害の多い手口は,大通りや観光名所付近,地下鉄・バスなどの公共交通機関を利用する際に,突然犯罪集団に取り囲まれ一瞬のうちに財布やウエストポーチ等をそのまま奪い去られるというものです。
これら犯罪から未然に被害を防止するためには,人混みの中では定期的に後方を振り返り不審者がいないかを確認する,財布を出し入れする際は周囲の状況を十分確認し,貴重品の保管場所を容易に悟られないよう注意する,物売りに近寄られても相手にせず素早くその場から立ち去る,リュックサックや肩掛けバッグなどは常に自分の視界に入る前側の位置で抱えて持つなど防犯に配慮する必要があります。
また,地下鉄,バスや白タクの利用は避け,信頼できるタクシー会社を予約するなど,常に警戒心を持って行動することにより被害のリスクは軽減するものと思われます。
なお,最近の主な被害例については以下のとおりです。
強盗
(ア)在留邦人が自宅の共同玄関を開けようとしたところ,2人組の男から顔等を数発殴打され,所持していた鞄(現金5,000ルーブルの入った財布,自宅鍵,書類等在中)を奪われた。被害者は頭部打撲,鼻から出血などの傷害を負った。
(イ)出張者が,深夜,ネフスキー大通り沿いにある和食系レストランで食事をとっていると,隣の席にいた見知らぬ若いロシア人女性2人から「一緒に飲まないか。」と誘われた。出張者は同女性を自身のテーブルに招き,ビールを一杯飲み終えた時点で記憶を失った。宿泊先のホテルで目を覚ました際,財布に入れてあった現金(1万ルーブル,165米ドル)が無くなり,さらにクレジットカード自体は盗まれていないが合計120万円分不正使用されていた。
窃盗
(ア)留学生が混雑しているバスを降車した際に,見知らぬ女性から,何者かが被害者の鞄を開けているところを見た,と指摘されたことから鞄の中を確認したところ,現金11,000ルーブル,クレジットカードが盗まれていた。
(イ)旅行者がエルミタージュ美術館内を散策中,ジャンパーの右ポケットに入れてあった携帯電話を何者かに盗まれているのに気付いた。
(ウ)在留邦人がバス(ネフスキー大通り:宮殿広場からモスクワ駅方向)に乗車中,何者かに所持していたカバンを引っ張られ,取られまいと同カバンを引き戻す行為を行った。同人が目的地であるバス停にて降車した後,違和感を感じて確認したところ,ズボンの右ポケットに入れてあった財布が盗まれていた。
(エ)旅行者が地下鉄「ネフスキープロスペクト」駅構内で車両に乗車しようとした際,5人組の男性に後ろから押され,カバンから財布(ルイヴィトン社製約8万円相当)を盗まれた。
(オ)レストランで食事中,席の脇に置いていたカバンが持ち去られた。
犯罪被害危険地域
地元内務総局は,外国人が被害に遭う地域について,次のとおり公表しています。
(ア)イサク聖堂
(イ)センナヤ広場
(ウ)ネフスキー大通りの南側沿い奇数番地(1番地から39番地)及び北側沿い偶数番地(2番地から116番地)
(エ)市中心部に位置する地下鉄の各駅,カフェ及びレストラン
また,警察は犯罪の多発地域を「安全ゾーン」として指定し防犯カメラの設置や警察官の巡回回数を増やすなどの防犯対策を講じています。市内中心部の「安全ゾーン」については,以下のとおり人が多く集まる公園,通り,地下鉄駅周辺が指定されています。
(オ)宮殿広場
(カ)センナヤ広場
(キ)ゴステイーニィー・ドヴォール付近広場
(ク) 地下鉄モスコフスカヤ駅前噴水付近
(ケ)モスクワ地区14か所のスーパーマーケット等
これら地域では,犯罪が多く発生していることから,特に注意願います。
当地での滞在を満喫するためにも、まずは「自分の身は自分で守る。」という意識を持ち、安全対策には万全を期してください。
出典:外務省ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=178)