イギリス(首都ロンドン、観光地:大英博物館、バッキンガム宮殿、ビッグベン等)への旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、イギリス(首都ロンドン、観光地:大英博物館、バッキンガム宮殿、ビッグベン等)への旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1.滞在時の各種届出
(1)外国人登録
原則として日本人は外国人登録制度の対象外です。外国人登録が必要な長期滞在者に対しては,旅券(パスポート)に「The holder is required to register at once with the police.」とスタンプが押されます。なお,英国滞在中,外国人が旅券(パスポート)を常時携帯する義務はありません。
(2)就労
外国人就労者は適切な滞在許可証の取得が必要です。入国管理局や警察当局は日常的に不法就労の取締りを実施しており,たとえアルバイトでも,許可されていない就労は違法として逮捕されます。有罪になった場合,強制送還されることがあります。
2.旅行制限
軍事施設等の立入禁止区域を除き,外国人の旅行制限はありません。
3. 写真撮影の制限
写真撮影の制限はありませんが,一般公開されている建築物の中にも,内部の写真撮影が禁止されているところがあるので注意が必要です。
4.各種取締法規
(1)薬物取締り
ア 英国でも,ヘロイン,マリファナ(大麻),コカイン,覚せい剤,MDMA(通称「エクスタシー」,「E」等),シンナー等の薬物犯罪が社会問題化しており,税関や警察が取締りを強化しています。違反者は法律に基づき厳罰に処されますので,薬物には決して手を出さないでください。
イ 麻薬の「運び屋」に仕立てられる危険性もありますので,他人の荷物を安易に預かったり,搬送を引き受けたりすることは絶対にしないでください。
(2)不法就労
不法就労は,就労者本人だけでなく,雇用者側も処罰の対象です。
(3)子の国外への連れ出しが犯罪になる場合(ここで紹介している法令はイングランド及びウェールズにおいてのみ適用されますが,スコットランド及び北アイルランドでもほぼ同じ内容の規定があります。)
『Child Abduction Act 1984』は,親権を持つ片方の親を含む「子と関連する者(a person connected with a child)」が,他に親権を持つ者の同意なしに16歳未満の子を英国外に連れ出した場合は刑法上の罪(子の奪取:child abduction)を構成すると規定しています。両親が離婚している場合でも,通常はもう一方の親も引き続き親権を有するので,「子の奪取」が成立する可能性があります(子を国外に連れ出すことについて裁判所が許可している場合はこの限りではありません)。
「子の奪取」により有罪とされた場合,略式手続による場合は6か月以下の拘禁刑若しくは罰金又はその両方,正式手続による場合は7年以下の拘禁刑に処せられます。
例えば,英国に住んでいる日本人親が他方の親の同意を得ず一方的に子を日本に連れて帰る場合,たとえ実の親であっても英国刑法違反となり,英国に再渡航した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があります。
なお,子の親権問題の詳細については,在英国日本国大使館ホームページ(http://www.uk.emb-japan.go.jp/jp/ryoji/oyako.html )をご覧ください。
(4)武器の携行
武器の携行に対して極めて厳格な規制が設けられており,催涙スプレー,スタンガン,特殊警棒,メリケンサック,ナイフ等の無許可の携帯は違法です。
5.交通事情
(1)運転免許
英国入国後又は居住開始後1年間は,日本の運転免許証(国際運転免許証を含む)で自動車の運転が可能です。1年を超えた後に運転する場合は,英国の運転免許証への切替えが必要です。また,レンタカーの利用には,通常,国際運転免許証が必要です。なお,一部レンタカー会社は,日本国大使館・総領事館からの証明を求めていますので御注意ください。
(2)交通法規
車両の交通は左側通行(日本と同じ)で,制限速度はマイル標示(例えば,40mph(およそ65km/h))です。ラウンドアバウト(ロータリー式交差点)や横断用ビーコン(標示等)等英国特有のシステムがあり,また,必ずしも「歩行者優先」の考えはないため,道路の歩行や横断には十分な注意が必要です。なお,英国交通法規『THE HIGHWAY CODE』は,以下のウェブサイトで閲覧可能です(英国内では,書店や郵便局などで購入可能。)。
http://www.gov.uk/highway-code
(3)各種公共交通機関利用時の注意事項
ア 電車,地下鉄,バス等の公共交通機関は,日本と異なり「乗越し精算」制度がないため,料金不足となった際は高額な罰金が科せられます。
イ 深夜や人が少ない車両の利用は避けた方が無難です。
ウ ロンドン市内を走る認可タクシーには,ブラックキャブ(いわゆるロンドンタクシー)及びミニキャブがあります。ブラックキャブは日本のタクシーと同様に路上で呼び止めることができ,また,料金メーターが付いているので,旅行者も安心して利用できます。ミニキャブは予約制で,料金はその都度交渉することになります。なお,ミニキャブは一般の車を使用していますが,車両前後のガラスに「PCO(Public Carriage Office)」が発行した認可証を掲示しているので,利用前に必ず確認してください。無認可の「白タク」を利用して犯罪に巻き込まれた事例が報告されているので御注意ください。
6. 在留届・たびレジ
英国に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく管轄の日本国大使館・総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又は英国を去る(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。在留届は,在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。郵送,ファックスによっても届出を行うことができますので,大使館・総領事館まで送付してください。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=154)