デング熱は重症化すると死に至ることがあるため、38℃を超える高熱を認める場合にはデング熱に感染している可能性を考えて病院で受診してください。
今年5月から6月にかけてラオスにおけるデング熱患者の急増が報道されています。
報道によると、過去1年間のラオス全国での症例は、本年5月末時点での1,760件から、6月末時点では3,000件へと急増(うち死亡は5件。なお、昨年1月から6月までの症例は249件のみ。)特にビエンチャンでは罹患率が高まっており、5月末時点での332件から6月末時点では696件と急増しています(うち死亡は1件)。
デング熱は、デングウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカ,ヒトスジシマカ)に刺されることにより感染します。感染後1週間以内に38~40℃程度の発熱,激しい頭痛,関節痛,筋肉痛などの症状で発症し,発熱後期から解熱後に発疹を認めます。ラオス当局は、蚊を家に寄せ付けない対策として、水を張った容器(花瓶や皿等)を屋内に置かないこと等を呼びかけています。最近、在留邦人のデング熱罹患も報告されておりますので、蚊に刺されないように十分対策してください。
デング熱の治療方法は安静と対症療法になります。症状の多くは自然に軽快,回復しますが,時に出血傾向を伴うデング出血熱や血圧が下がりショック症状となるデングショック症候群に移行するなど重症化することがあり,この場合適切な治療を行わないと死に至ることがあるため注意が必要です。
タイのノンカイ・ワッタナ病院、エック・ウドンインターナショナル病院及びバンコク病院ウドンはいずれも24時間対応可能です。これらの病院に連絡すれば、ビエンチャン市内まで有料で救急車を手配できますが、国境の閉鎖時間帯(友好橋・ノンカイ間は22から6時)は国境までしか迎えに来てくれませんので注意が必要です(なお、パクセー・ウボン間の国境は20時に閉まります。)。また、陸路・無査証でのタイ入国をすでに年2回行っている場合でも、急患の場合にはタイ側は人道的配慮をするとのことですが、急患であることを入国審査官が識別できるように、タイの病院から救急車を呼ぶ、タイ語等で書かれた診断書を持参する等をお勧めします。
在ラオス日本大使館領事班
出典:外務省海外旅行登録「たびレジ」提供情報を加工して作成