デリー、グルガオンへ観光目的での旅行をお考えの皆様へ

本記事では日本国外務省にて紹介されているデリー、グルガオンの治安情勢をご紹介致します。

 

 

(1)睡眠薬強盗

列車の中や名所・旧跡,あるいは街中で,親しげに話しかけ,言葉巧みに睡眠薬の入った飲み物(チャイやジュース等)や食べ物(クッキー,ビスケット,アイスクリーム等)を勧めます。睡眠薬は非常に強力で,数分のうちに意識不明となり,その間に,旅券,現金,カメラ,携帯電話,クレジットカード等の貴重品を全て盗まれます。こうした手口で,何人もの邦人が被害に遭っています。意識が完全に回復するには1~2日間かかり,中には1週間近く入院が必要だった事例もあります。冬期に睡眠薬強盗の被害に遭った邦人が身ぐるみ剥がされた上,夜の道路端に放りだされていた事例もありましたが,この場合,一歩間違えば冬の夜間の寒さによる深刻な病気になる危険性や,車にはねられる危険性もありました。見ず知らずの人から勧められた飲み物や食べ物は,決して口にしないことが大切です。また,列車内で知らない人から食べ物を勧められた場合も,同様に注意が必要です。

 

(2)スリ,置き引き,ひったくり

オートバイ,自動車に乗った犯人が,通行中やタクシー待ちをしている女性を狙ってハンドバック等を強引に奪取する事例が発生しており,邦人女性がオートリキシャで移動中,オートバイに乗って近づいてきた犯人にバッグを引っぱられ,オートリキシャから落ちて重傷を負ったケースもあります。貴重品をバッグ等に入れ持ち歩く場合は,手提げバッグの使用は避け,ショルダーバッグを使用し,体の前に抱える等,常に注意が必要です。

また,市場,デパート,駅等の混雑した場所で,スリ被害に遭う事例が発生しています。地下鉄では、数十人のスリ集団が4~5名のグループに分かれてスリを行っているケースがみられ,特に複数の路線が交差し,混雑する駅をターゲットとしているといわれており,注意が必要です。ひったくり事案では,道路脇で携帯電話を使用していた際に,バイクに乗車した者にひったくられたケースや,デリー駅周辺の横断歩道で信号待ちをしていた際に,背負っていたバックパックから貴重品を盗難されるケースもありました。特に混雑した場所では,買い物中や移動中も貴重品の入ったバッグ等から目を離さないよう注意する必要があります。

 

(3)車上あらし

車両から離れる際は,車内に貴重品を放置しないようにしてください。例え運転手が車内で待機している場合であっても,油断しないでください。また,パンクや故障といったトラブルの最中に,犯人がロックされていないドアを開けて車内の貴重品を盗む事例や,運転手が短時間車を離れた際に車内に残した貴重品が盗まれた事例なども発生しています。

 

(4)訪問盗・追い出し盗

「電気検針です」,「ご主人から頼まれて来ました」等の口実を設けて訪問し,家人や使用人の隙を見て貴重品を盗ったり,「ご主人が交通事故に遭ったので,直ぐに病院へ行ってください」等の口実を設けて家人を家から追い出し,その間に室内を物色する等の手口が見られます。突然の来訪者には,身分証を提示させ,派遣先の所属組織に連絡の上,確認ができた場合にのみ入室を許可し,不審な行動がないか常に訪問者から目を離さないよう注意が必要です。

 

(5)列車内における強盗および盗難被害

夜行寝台列車内で邦人が貴重品を強奪された上に暴行を受けた事件,列車内で若者グループに取り囲まれ脅される事件,寝台列車のベッドの準備や荷物の上げ下ろしを親切に手伝う振りをして貴重品を持ち去る事件,睡眠中に貴重品を盗まれる事件等が発生しています。

貴重品は常に自分の身から離さないよう注意が必要です。また,夜行列車の利用は,睡眠中に貴重品から意識が離れてしまうため,できる限り利用を避けることをお勧めします。

 

(6)宝石や絨毯の詐欺

「宝石や絨毯を購入して日本に持ち帰ってくれれば,高額で買い取ってくれる店を紹介する」と言って信用させるが,実際には日本で買い取る店は存在せず,品物はほとんどの場合が偽物あるいは安物だったという詐欺が発生しています。具体的には,邦人旅行者と親しくなったインド人がその旅行者に対し,「宝石等を国際宅配便で送りたいので貴方の名義で送ってほしい」「指定の店で手続きをしてもらえば報酬を支払う」といって信用させ,宅配手続き完了後に税関を名乗る人物から連絡が入り,宝石を購入した証明の提出を要求され,形式的にクレジットカード決済が必要だとしてその場でカード決済をさせるが,実際には宝石は送付されてこず,また指定された店も存在せず,自分のカードに高額の支払いだけが残るという事例がありました。こうした詐欺は,主としてデリーやジャイプールで発生しており,何人もの邦人旅行者が被害に遭っています。

被害に遭わないためには,親しげに近づいてくる者や知り合って間もない素性が明らかでない相手を安易に信用せず,常に警戒を怠らないことが必要です。

 

(7)女性への性的暴行

デリーでは強姦事件,強制わいせつ事件が多発しており,2012年12月にデリーで発生したインド人女子学生強姦致死事件を一つの契機として大きな社会問題として取り上げられました。被害者はインド人女性に留まらず,外国人女性を狙った事件も増加しており,被害者の中には邦人女性も含まれています。女性の一人旅,単独行動や夜間の外出,例えば夜間のオートリキシャ利用等は危険であり,絶対に避けてください。また,親しげに声をかけてくる者など素性が知れない者を安易に信用し,相手について行く,滞在場所に招くことなど深入りは絶対にしてはならず,接点を持たないことが身を守るために重要です。常に警戒心を持って行動することが必要となります。

 

(8)麻薬犯罪

インドにおいては,邦人がマリファナ(ガンジャー),ハシシ(チャラス)等の麻薬所持で逮捕される事件,麻薬により急性の精神障害を引き起こし,空港,ホテル,駅等で異常な行動をとって警察に保護されるといった事例,麻薬の乱用による急性精神障害で入院する事例,薬物の影響で急死するという事例が発生しています。

世界各国における麻薬の取り締まりは厳しくなっており,インドでも1989年に改正された「麻薬及び向精神薬法(NDPS法)」により麻薬に対する取り締まり及び罰則が強化され,麻薬の売買・所持・使用等で逮捕された場合には,拘留された上,裁判手続きに長期間を要し,最終的に厳しい刑罰(罰金に加え数年から十数年の懲役刑等)が科せられますので,絶対に手を出さないでください。

 


 
当地での滞在を満喫するためにも、まずは「自分の身は自分で守る。」という意識を持ち、安全対策には万全を期してください。

 
出典:外務省ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=001)

 

 

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