セルビアへの旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、セルビアへの旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1 外国人登録(滞在届)
セルビアに入国した外国人は,原則として入国後24時間以内に,警察署で滞在の届出を行う必要があります。
外国人がホテル等の宿泊施設に滞在する場合は,宿泊施設側に届出の義務がありますので,届出に関して外国人自身が行うべきことは特段ありません。届出の手続きが完了すると,宿泊施設から外国人宿泊者に「POTVRDA」と記載された外国人登録証が交付されることになっています。
外国人が親族宅や友人宅など,宿泊施設以外の場所に滞在する場合は,外国人に滞在場所を提供する家屋の所有者(以下「家主」)が届出を行う義務があります。届出先は外国人が滞在する場所の所在地を管轄する警察署になります。届出の際には,滞在する外国人の旅券と,家主が外国人の滞在する場所の所有者であることを証明する文書等の2点が必要になります。この場合,外国人自身が家主とともに警察署に赴く必要はありません。また,届出の義務は家主にあるため,外国人本人のみが警察署に赴いても届出を行うことはできません。届出の手続きが完了すると,警察署から家主に外国人登録証が交付されます。
外国人登録証は出国時まで保管してください。滞在中又は出国時に警察官から外国人登録の有無について質問された場合は,登録証を提示してください。なお,警察署での届出は入国時のみで,出国の届出は必要ありません。
外国人に滞在場所を提供した家主が届出を怠った場合,法律の規定により,家主に対して3,000ディナール以上,15,000ディナール以下の罰金が科せられることがあります。
2 長期滞在者向けの注意事項
(1) 短期滞在者としてセルビアに入国後,就労や留学等の長期滞在査証を取得する場合は,滞在場所を管轄する警察署の外国人課で在留資格変更の申請を行う必要があります。(90日以内の滞在であっても,大学等に短期留学を行う場合は,短期滞在には該当せず,留学査証の取得が必要です。受入大学側が査証に関する十分な知識を有していないため,入国後にトラブルに至るケースがありますので注意が必要です。)
(2)長期滞在査証を取得後に出国する場合,査証の種類によっては出国査証が必要な場合があります。出国査証は,長期滞在査証の取得申請時に同時申請が可能ですので,併せて取得することをお勧めします。なお,出国査証を取得した場合には,出国可能な回数,有効期限が定められていますので,必ず確認してください。
(3)セルビアでの長期滞在を予定する方は,駐日セルビア共和国大使館に,該当する査証の取得方法等につき事前に照会することをお勧めします。
(4)現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なくセルビア日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,セルビア日本国大使館まで送付してください。
3 撮影制限
軍事関係施設など撮影禁止標識(カメラの形に×印が表示されているもの)が立てられている場所があります。その標識が立っているところでは,写真撮影を行わないだけでなく,カメラをバッグなどに収納するなどして無用なトラブルを避けるよう心掛けてください。
4 民族感情
2008年2月にコソボがセルビアから独立をした際,セルビア国内ではコソボ独立に抗議する集会が各地で開催され,参加者の一部が暴徒化しました。その後の治安情勢は全体として安定していますが,引き続き政治的な集会やデモ等が開催される可能性は残されていますので,政治性の有無に関わらず,集会やデモには近寄らないでください。また,コソボ独立の問題や旧ユーゴスラビア紛争など,セルビア人を刺激しかねない民族問題や政治問題について,一般のセルビア人に対して不用意に発言することは謹んでください。
5 薬物犯罪
セルビアは,中東から西欧に抜ける違法薬物の密輸ルートのひとつになっており,違法薬物の取締りに警察当局も力を入れています。しかしながら,最近,特に若者の間で麻薬・覚醒剤などの違法薬物の濫用がセルビア国内にも広がっています。
違法薬物の使用,販売,運搬を行った者には,最高で15年以下の禁固刑が科せられますので,絶対に関わらないでください。
6 交通事情
高速道路は整備されていますが,場所によっては路面の状態がよくないところがあります。また,ベオグラード市以外は照明が不十分なところも多いため,夜間の運転には特に注意が必要です。
市街地の道路が交差する箇所では,優先道路,非優先道路の標識のあるところがあります。これらの標識があるところには信号がないため,標識をよく確認してください。
運転マナーは良いとは言えず,無理な車線変更や危険な追い越し,パッシング等,交通規則を無視した無謀な運転をする者がいますので,注意する必要があります。
後部座席を含め,乗員にはシートベルト着用の義務があります。また,12歳以下の子供を助手席に乗せて運転することは法律により禁じられています。
高速道路は一部区間を除き有料です。料金は基本的に料金所で停車して支払います(一部の料金所にはETCレーンが設置されていますが,このレーンを通過するにはETC車載器が必要です。)。現金(ディナール又はユーロ)のほか,クレジットカードでの支払いも可能です。
交通規則に違反した場合は,交通違反の種類に応じて3,000ディナール以上,50,000ディナール以下の罰金が科せられます。また,故意に事故を起こした者については禁固刑が科せられる場合があります。罰金の支払いは,違反した場所で警察官に支払うことはせず,郵便局もしくは銀行で行います。
7 警察官による職務質問
私服警察官による職務質問が行われる場合があります。この場合は,警察官に身分証の提示を求めた上で,必要に応じて旅券(パスポート)などの写真付身分証明書(英語又はセルビア語表記のもの)を提示してください。
8 スポーツ観戦
セルビアでは,サッカーやバスケットボールなどのスポーツが大変人気がありますが,試合前後に試合会場周辺や街中でサポーターがフーリガン化し,トラブルが発生することがあります。スポーツ観戦にあたっては,騒ぎを起こしそうなサポーターの近くでの観戦は避けるとともに,試合終了後は速やかに退場するなど,安全の確保には十分注意してください。
9 子供の住居移転等について
未成年の居所を国外に移転する際には,父母双方の承諾が必要になります。また,父母の双方が親権を有する場合に,一方の親権者が,未成年の子をもう一方の親権者の同意を得ずに外国に連れ出すことは刑罰の対象になる可能性がありますので,注意してください。
10 ハーグ条約
セルビアは,国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は,原則的に子が元の居住国に返還されることとなります。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=175)