ブラジル(観光地レンソイス、パンタナール等)への旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、ブラジル(観光地レンソイス、パンタナール等)への旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1.滞在時の各種届出
滞在期間90日を超える一時滞在(テンポラリー)査証及び永住査証を所持する外国人は,ブラジルに入国後30日以内に,居住地の管轄の連邦警察に対し,外国人登録及び外国人身分証明書の発給申請を行うことが義務付けられています(観光等90日以内の短期滞在者については不要)。なお,外国人身分証明書の入手にはかなりの時間を要しますので,その間は,申請時に受け取る受理証(プロトコーロ)を携帯します(連邦警察のプロトコーロがあれば,銀行口座の開設を始めとする諸手続きに支障はありません)。
2.観光旅行等の短期滞在者は旅券(パスポート)を携帯し,また,一時滞在者(90日を越える)及び永住者にあっては,外国人身分証明書,又は,プロトコーロを携帯する必要があります。ブラジルの外国人法第96条は,「外国人は,官憲あるいはその代行者の要求のある場合は,国家領土内における適法の滞在を証明する書類(オリジナル)を提示しなければならない。」と規定しています。ただし,登記所の原本証明印があるコピーで代替できます。ブラジル官憲の要求に対し,当該書類(旅券,外国人身分証明書,プロトコーロのいずれか。登記所の原本証明印があるコピーを含む。)の提示ができなければ,拘留される場合があります。
3.写真撮影の制限
(1)軍事,保安地区は禁止されています。
(2)美術館と博物館のほとんどの館内は禁止されています。
(3)外国人が奥地のインディオ保護区に立ち入り,インディオの撮影等を行うためには,事前にインディオ保護院(FUNAI)の許可が必要です。
4.各種取締法規
(1)麻薬
ア 麻薬の取締りはブラジル連邦警察の権限であり,厳しい取調べが行われます。刑罰も厳しく,麻薬所持・国外持ち出し等は3~15年の禁固,又は罰金刑となっています。したがって,間違っても好奇心等で麻薬には絶対に手を出さないでください。
イ ブラジルと日本の間にも麻薬密輸ルートがあるとみられます。リオデジャネイロでは,近年,国際空港で日本人が麻薬所持・密輸の現行犯で逮捕される事件が発生しています。同地は,コカインや大麻等の米国・欧州向け密輸の中継基地となっている模様で,その麻薬の密輸には国際的な犯罪組織が関与しているとみられています。近年,この国際的組織がリオデジャネイロの麻薬組織と結託して,外国人(特に若い女性)を「麻薬の運び屋」に仕立てて,リオデジャネイロ等から麻薬を入れた荷物を国外に運ばせているとみられています。
知り合ったばかりの人や信頼のおけない他人の荷物の託送を安易に引き受けると,知らないうちに「麻薬の運び屋」に仕立てられる可能性があります。なお,外国人旅行者が麻薬所持・密輸により逮捕され,有罪判決を受ける場合,その多くは執行猶予のない禁固4年(所持のみでも禁固3年)以上の実刑判決を受け,厳しい環境の刑務所で長期間にわたり服役することになります。
[過去の事例]
○若い日本人女性が,日本で知り合った外国人男性から,旅費・滞在費を出すことと引き替えに,リオデジャネイロの友人から荷物を預かってくることを依頼されてリオデジャネイロを訪問した。指定された男性から帰国の際,同男性から荷物(衣類が入っていると言われたリュックサック)を受け取った。ところが,出国の際,空港の荷物検査で,荷物の中から麻薬が発見され逮捕され,リオデジャネイロの刑務所に収監され,2年7か月服役した。
(2)不法就労
就労の許可されていない査証で就労すれば,不法就労となり,国外退去の対象となります。
(3)銃器所持
銃器の所持(携帯)及び所有は,法律で厳しく規制されています。銃器の所持(携帯)は,軍隊,警察,公安職員及び警備会社警備員等法律で定められた者にしか認められていません。同法律は一般市民が銃器を所持することを防止し,銃器を連邦警察に引き渡すことを勧奨しており,市民が銃器を手放す運動が全国的に広がっています。
銃器を個人で所有する場合は,連邦警察に登録する必要があり,不法所有が発覚した場合は警察に逮捕されます。不法に密輸された銃が犯罪者によって販売されていますが,購入しないでください。
(4)天然資源の管理及び野生動植物の採取等
許可無く野生動植物を殺傷・捕獲・採取したり,ブラジル国外に持ち出したりすることはブラジルの法律等で禁止されており,違反者は厳しく処罰されます。これら行為を安易に行わないようにしてください。
マナウスでは天然資源の保護のため特に厳しい管理体制をとっており,不用意に動植物を持ち出そうとして空港等で当局に身柄を拘束されるケースが増加しています。動植物の採取,国外への移送に関しては必ず事前にブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)の許可を得る必要があります。
5.交通事情
(1)国際運転免許証の取扱い
日本の国際運転免許証は,日本とブラジルとで国際運転免許証の発給の根拠となっている条約が異なるため,ブラジルでは使用できません。
ただし,リオ2016オリンピック・パラリンピック開催に伴い,平成28年7月1日から同年12月31日までは日本の運転免許証と身分証明証を携帯することでブラジル国内を運転することができます。
(2)交通マナー・道路事情
交通マナーは全般に極めて悪く,人身事故が頻発しています。道路事情も悪く,思わぬ事故を招く可能性もあるので,以下の点に注意してください。
○急な割り込み,進路変更,幅寄せ等が恒常的に行われているため,特に交差点付近では周囲の交通に十分に注意する。
○オートバイが自動車の車間を縫うように走行するので,特に車線変更する際には周囲に注意する。
○トラック,バスなどの大型車両は,特に運転が乱暴なので,併走している時や追い越しをする時には十分に注意する。
○夜間や早朝は信号を無視する車両が多いため,青信号であっても減速して安全を確認して通過する。
○全般的に車間距離が短いため,追突事故には十分に注意する。
○歩行者のマナーも悪いので,青信号で交差点を通過する場合や幹線道路,高速道路を通行する場合であっても,歩行者の飛び出しに注意する。
○飲酒運転車両が多いため,特に夜間の走行には十分に注意する。
○市内,郊外を問わずいたる所に,陥没箇所,凹凸のある車両減速帯(ロンバーダ)があるので,スピードの出し過ぎには注意する。
○短時間,局地的な大雨(スコール)が降ると,多くの道路が冠水し,陥没箇所が見えなくなることや,雨量,場所によっては冠水の水位が車両の最低地上高よりも高くなり,通行できなくなる場所もあるので,降雨時は地下道や橋梁施設がしっかりしていない道路の通行は避ける等,晴天時よりも運転に注意する。
○坂道が多く,また,道路整備がしっかりしていないため,雨天の場合,スリップを起こしやすくなるので,十分に注意する。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=259)