コロンビアへの旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、コロンビアへの旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1.滞在時の各種届出
(1)外国人登録
ア 3か月以上の滞在期間を許可された査証を所持する7歳以上の外国人は,入国後15日以内に外務省特別入管局に外国人登録をすることが必要です(7歳未満については,外務省特別入管局で旅券を提示した上,査証登録が必要です。)。また,入国後,住所変更や職業などに変更があった場合にも,変更後15日以内に届出を外務省特別入管局に行わないと罰金刑が科せられます。
イ 外国人登録後,外務省特別入管局より,査証の有効期限に従った外国人登録証(CEDULA DE EXTRANJERIA(7歳以上が対象)有効期間は最高5年))が発行されます。なお,この登録証発給申請時に帰国費用(日本もしくは居住国までの渡航費)を負担できることを証明する証明書の提示が必要となります。
また,入国後に7歳に達した方も,その誕生日から数えて15日以内に,外国人登録証の発給申請をすることが必要です。
(2)長期滞在者向けの注意事項
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても届出を行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
2.旅行制限
公の旅行制限区域は設けられていませんが,治安上の問題から,立入りを避けることが必要な地域があるので,注意が必要です。
3.写真撮影の制限
軍事関係施設の写真撮影は厳禁されており,無断で撮影すると,特段の理由がなくても拘禁の上,写真撮影の目的が明確になるまで徹底的に調査されるので注意が必要です。そのほか,文化施設などでも場所によっては撮影が禁止されている場所もあるので,事前にチェックすることが重要です。また,一般人を撮影しても撮影料を請求されることがあります。その他,政府閣僚や要人の私邸等にカメラを向けることも誘拐関与を疑われたり,私邸を守る武装兵士の威嚇を受けたりする可能性もあるので,避ける方が無難です。
4.各種取締法規
(1)麻薬
コロンビアは,麻薬の生産,密売及び輸出で知られており,歴代の大統領は麻薬の取締りに力を入れています。麻薬の密輸,所持,精製などに関与すると,麻薬の種類,量によって異なりますが,最低96か月から最高180か月の自由刑及び最低賃金の3,000倍から最高5万倍までの罰金が科されます。街頭での売買も行われており,外国にいるという解放感から安易に手を出すと取り返しのつかないことになるので,関わらないよう断固たる意思を持つことが重要です。
なお,コロンビアでは,麻薬の密輸と売春とが表裏一体で行われており,コロンビア女性が日本に入国する際の身元保証を簡単に引き受けると,麻薬と売春(女性は運び屋兼売春婦として渡航することがある。)の両方の関与を疑われる可能性もあるので,十分な注意が必要です。
(2)不法就労
コロンビア国内で就労する場合には,短期滞在目的(観光など)で入国後,就労等の査証(就労,留学を含む。)を申請することはできないので,事前に査証を取得する必要があります。査証を取得しないで就労した場合には,過料を徴収された上で強制退去処分になります。一般的に,就労査証(TEMPORAL ORDINARIA TRABAJADOR)は,労働契約に基づいた駐在員,学術関係者,技術指導者などコロンビア人の雇用機会を減らすことなく,コロンビアに貢献するような労働に従事する外国人に対して付与されているので,永住査証(VISA DE RESIDENTE)を所持しない外国人は,コロンビア人と同じような雇用機会は与えられません。
(3)外国人の政治活動
憲法上は外国人居住者の選挙権(地方選挙のみ・永住査証所持等の条件あり)は認められていますが,被選挙権はなく,また一切の政治活動への参加は禁止されています。この取締りには,外務省特別入管局が当たっており, 治安維持上違法とみなされる活動を行った場合は強制退去処分を受けた上,最低5年間はコロンビアへの入国を拒否されることとなります。
(4)銃器
銃器所持には国防省の許可が必要となっていますが,許可のない密輸入銃や改造銃が横行しており,発生している殺人事件の多くが銃器を使用したものです。
(5)外出禁止令
都市ごとに夜間外出禁止条例(16歳以下の未成年は午前1時以降の外出禁止等)や飲食店業の営業時間制限(ボゴタ首都区の場合,午前3時以降は営業禁止)があるほか,大きなイベント(選挙,大規模デモ,重要なサッカーの試合など)が予定されている時には禁酒令(LEY SECA)が発令されます。
5.交通事情
コロンビアは車社会であり,地下鉄等の鉄道が一般に利用されているのはメデジン市のみです。車両は右側通行で,習慣上車両が優先となっています。道路整備状況は悪く,さらに,車を運転する各個人の運転マナーが悪く(急停車,無理な割り込み,無謀な車線変更など),歩行者の飛び出しも多いので,運転には十分な注意が必要です。特にバス及びタクシー運転手は,利用客の求めに応じて,交差点内はもとより,多車線道路の真中でさえ所かまわず急停車するので,後ろを走るのはできるだけ避けてください。
こうした状況から,必然的に交通事故も多く,政府が義務付けている強制保険への加入のほか,対人・対物保険や,さらに盗難に対する保証も含めた任意保険へ加入するようお勧めします。
6. ハーグ条約
コロンビアは,国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は,原則的に子が元の居住国に返還されることとなります。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=248)