クウェートへの旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、クウェートへの旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1 旅行制限
軍事施設,石油関連施設,政府関係施設などへの立入りは,関係官庁の許可が必要です。
2 写真撮影
王宮,石油関連施設,油田施設,通信施設,政府関連施設,各国大使館,軍事施設,空港,港湾施設とその周辺での撮影は禁止されています。過去,これらの付近で写真を撮影した日本人が当局に身柄を拘束され,フィルムを没収される事件が発生しています。撮影しようとする場所が撮影禁止であるか否かが明示されていない場合もありますが,撮影禁止場所であった場合には撮影後に大きな問題となります。撮影の可否は常に確認するようにしてください。
また,女性を無断で撮影しようとすると,大きなトラブルとなるおそれがあります。(これは男性であれば無断で撮影しても問題ないという意味ではありませんのでご注意ください。)
報道関係者による取材目的の撮影は,事前に目的,対象等を明示して情報省に許可を申請する必要があり,許可が得られる場合には,撮影条件等について情報省から具体的な指示がなされます。
3 各種取締法規
(1)酒類は全面的に禁止されており,密造・密売はもとより飲酒行為も違法です。高級ホテルやレストランでも酒類の提供はありません。違反した場合は逮捕勾留され,最高100KD(約3万5千円)の罰金または10年以下の懲役と大変厳しい罰則が定められているので十分注意が必要です。
(2)薬物犯罪の罰則は日本と同様に厳しく,5年以上10年未満の懲役と5,000KD以上10,000KD未満(約179万円から約358万円)の罰金が科せられます。
(3)銃器使用による殺人・強盗事件も増加傾向にあることから,治安当局は,銀行,両替商,商業施設などでの警戒を強化しています。
(4)近年,不法就労者が増加しているため,国内各所において検問を実施して取締りを強化しています。外出時は身分証明証(IDカード又はパスポート)を必ず携帯してください。
(5)外国人による政治活動及び出版活動は,関係省庁に対し事前の許可が必要となる場合があります。
(6)クウェート及びアラブ諸国の国家指導者に対する批判など,国内・国家間の関係を乱す恐れのある行為は違法です。また,結婚した夫婦間以外の性的関係も違法(姦通罪)であり,実刑を受ける者も少なくありません。
4 交通事情
(1)クウェートは日本と同一の「道路交通に関する条約(通称:ジュネーブ条約)」を締結していないため,都道府県公安委員会発行の国際運転免許証の有効性は保証されていません。
(2)近年,外国人がクウェートの運転免許証を取得することは非常に困難で,原則2年以上滞在していることが条件となっており,また収入や学歴にも制限があり,最終的にはクウェート交通局の裁量によります。在留外国人の多くは,運転手を雇用しているのが実情です。
またクウェート警察は,無免許運転抑止のため,2015年4月から無免許運転の外国人を発見した場合,その場で身柄を拘束し,そのまま国外退去させる取り締まりを開始しました。
(3)クウェートは,車は右側通行で,幹線道路は道路幅が広く比較的運転しやすい道路環境ですが,鉄道がないことから,朝夕の通勤・通学の時間帯には激しい渋滞が発生します。クウェートの交通状況は,運転マナーは悪く,スピード超過,割り込み運転が多いので,これらに起因する交通事故も多発しており,運転には注意が必要です。
また,歩道や横断歩道の整備が十分でないため,道路を歩く際にも注意が必要です。
(4)運転者及び助手席に座る者には,シートベルトの着用が義務付けられています。後部座席でも安全対策としてシートベルトを着用することが重要です。また,運転中の携帯電話使用は禁止されています。
基本的に道路標識は日本と同じ国際標識なので分かりやすく,ほとんどの案内標識は英語とアラビア語が併記されています。
5 長期滞在者向けの注意事項
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=049)