カタール(首都ドーハ)への旅行を検討中の皆様へ

本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、カタール(首都ドーハ)への旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。

 

 
1 滞在時の各種届出
観光や商用として,短期滞在査証で入国する場合には,特に届出等をする必要はありません。就労,家族滞在等の査証を取得し入国された方は,入国後30日以内に内務省入国管理局に申請し,在留許可を得る必要があります。
また,カタール国内で在留許可を受けた方が,出国し再入国する場合,カタール国外の滞在期間が6か月を超えると在留許可が無効になるので注意が必要です。
なお,就労を伴う在留許可申請者については,内務省に対して「警察証明(無犯罪証明)」の提出が義務づけられています。日本からカタールに就労目的で渡航される方は,事前に居住地の都道府県警察本部で証明書の交付を受けてください(第三国に居住されている方は,カタール内務省犯罪証明局(Department of Criminal Evidence and Information)にご照会ください(電話:+974-4447-1444))。
こうした申請に伴う書類には,日本の外務省での公印確認や駐日カタール大使館の認証が必要とされる場合がありますので,スポンサー等を通じて確認してください。

 
2 写真撮影の制限等
軍事施設,警察施設,空港,首長府その他政府関係施設の撮影は,特別の許可がない限り禁じられています。撮影禁止区域でカメラを持っていると,フィルムやカメラを没収され,警察に連行されることもあるので注意が必要です。また,モスクや女性,礼拝している人を撮影することも避けたほうが無難です。日本人観光客が,卸売市場付近を写真撮影したところ,警察車両が写っているとして身柄拘束された事案も発生しています。
首長府,軍事施設,工業施設等に入るためには事前の許可が必要です。軍事施設等の立入禁止区域の標識は,アラビア語でのみ標記されているケースが多く,場合によっては何の表示もなされていないこともあるので,郊外をドライブする際は十分注意する必要があります。その他,首長一族関係者の居住地は一般的に広大であり,公園と間違えて立ち入った者や迷い込んだ者等が警備の警察官等によって一時拘束され,事情聴取が行われた等の事案が発生しています。

 
3 飲酒等の制限
飲酒,酒類の製造及び販売は原則として禁止されています。ただし,外国人が多く利用する一部ホテル内のレストランやバーにおいては酒類のサービスが受けられます。また一定以上の収入のある日本人を含む外国人居住者(ただし非イスラム教徒)については,酒類購入許可証(Liquor Permit)を取得すれば,ドーハ市郊外にある「カタール・ディストリビューション・カンパニー」において酒類(及び豚肉製品)の購入が認められています。

 
4 各種取締り法規
(1)ポルノ雑誌やDVDは,販売のみならず所持も当局による取締の対象になっています。
(2)賭博はイスラム教の戒律で禁止されています。
(3)公共の場での喫煙は禁止されています。公共交通機関,教育施設,医療関係施設,政府関連施設,ショッピングセンター等の産業施設,映画館,レストラン等食品を販売している場所等での喫煙は罰金の対象となるので注意してください。なお,一部の飲食店では水たばこ(シーシャ)等が提供されています。
(4)麻薬や銃器の所持,持込みには,死刑を含む厳罰が科せられます。
(5)一部ホテルのレストラン等では飲酒が認められてはいるものの,飲酒に伴う各種トラブル(飲酒運転,ケンカなど)には厳罰が科せられます。

 
5 交通事情
(1)車は右側通行です。最近では信号機の設置されている交差点が増加していますが,信号機を使わないロータリー(英国式ラウンドアバウト)も多く,そこではロータリーの内側を走っている車が優先です。速度制限は街中で50~80km/h,郊外で80~120km/hと,かなり高速に設定されています。
(2)運転マナーについては,車線を守らない,ウインカーを出さずに曲がる,無理な割込みや追越し,後方からのいわゆる「あおり」行為,制限速度を超過した速度での運転などが多く,非常に劣悪な状態であるため注意が必要です。また,運転する際には,制限速度を守る,交差点・ロータリーでは必ず安全確認する,飲酒運転はしない等の基本的な交通ルールを厳守することが必要です。
(3)交通取締は,主要道路・交差点でのレーダー自動監視装置による信号無視やスピード違反の取締り,市街地での駐車違反取締り等が行われ,違反者には日本よりも高額の反則金が課されます。
(4)万一,交通事故に遭遇した場合,負傷者がいる場合は救急車が到着するまでの間,応急処置を行うとともに警察や救急(電話番号は共に999)に事故の発生場所,負傷者の数や負傷の程度,事故の状況等を報告し,指示を受けてください。事故を起こした車両については,警察官が現場に来る前に車両を移動してしまった場合は保険に必要な事故証明が発行されなくなる可能性があります。ただし,2007年10月に道路法が改正され,負傷者がなく車両の破損程度も軽い,いわゆる軽微な事故において,事故車両が交通の妨げになっている場合は,事故車両の運転手には速やかに車両を安全な場所に移動させる義務が課せられ,この場合,事故車両を移動させなかった運転手には罰金1,000カタール・リヤルが科せられることとなりました。ただし,どの程度をもって軽微とするかには疑問も生じますので,事故発生の際は,警察の指示を受けるようにしてください。

 
6 公共交通の利用等
(1)路線バスについては,国営ムワーサラート社の「カルワ・バス」が運行されています。運賃が低額であるということもあり,主として外国人単純労働者等が利用しています。
(2)タクシーについては,銀色の屋根の「カルワ・タクシー」,えんじ色の屋根の「アル・ミリオン・タクシー」,青色の屋根の「アル・イジャーラ・タクシー」,灰色の屋根の「キャピタル・タクシー」,黄色の屋根の「カーズ・タクシー」の他,主要ホテルに常駐している「リムジン・タクシー」等があります。
カルワ・タクシー等は,初乗り運賃も低額で,また会社のコントロール・センターで無線により集中管理されているので比較的安心して利用できますが,過去には料金の水増し請求事案や運転手による女性連れ去り事案等も報じられており,十分な注意が必要です。電話によるタクシーの配車要請は24時間受け付けていますが,時間帯によっては対応が遅くなることがあります。ドライバーは外国人で,必ずしもドーハ市等の地理に詳しくない場合もあり,またカタールでは基本的に住所表示がないことから,目的地に着くまで時間がかかることもあります。
なお,カルワ・タクシー利用時におけるトラブルに際しては,同社カスタマー・サービス(+974-4458-8888)が対応することになっています。
リムジン・タクシーは,主要ホテルに常駐しており,いつでも利用できるという便利さがある反面,運賃は50~200カタール・リヤル程度と,カルワ・タクシー等と比べると高く設定されています。
なお,ハマド国際空港では,タクシーが指定された場所で待機しているので,違法タクシー(いわゆる白タク)の運転手が声を掛けてきても不用意に乗車しないでください。

 
7 その他
イスラム教では,金曜日が集団礼拝の日とされており,その機会を利用して,政治的スピーチやデモが行われ,それが大規模化,暴徒化する場合があります。また,その際,モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもありますので,特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしてください。

 
8 長期滞在者向けの注意喚起
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスでも行うことができますので,日本大使館までお問い合わせください。

 
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=048)

 

 

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