イスラエル(首都エルサレム)への旅行を検討中の皆様へ
本記事では日本国外務省の配信情報をもとに、イスラエル(首都エルサレム)への旅行・観光時の留意事項をご紹介致します。
1.占領地,入植地について
(1)1967年(第三次中東戦争)以降,イスラエルは,東エルサレム及びゴラン高原を併合していますが,右併合は日本を含め国際的には承認されていません。また,ヨルダン川西岸はイスラエルの占領下にあり,これら地域におけるイスラエルの入植活動は国際法違反とされています。
(2)日本は,イスラエルと将来のパレスチナ国家の境界は,1967年の境界を基礎とする形で,交渉を通じて画定されるべきとの考えを支持しています。(中東和平についての日本の立場,http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/middleeast/tachiba.html )
かかる占領地や入植地は,今後の当事者間の交渉次第でその法的地位は変更されうる状況にあります。また,東エルサレムを含むヨルダン川西岸におけるイスラエルの入植活動は,国際法違反とされているため,それら地域に関わる経済活動を伴う場合は金融上,風評上及び法的なリスクに十分留意する必要があります。
(3)不明な点は,外務省中東アフリカ局中東第一課及び在イスラエル日本大使館へお問い合わせください。
2.禁止事項
国境・停戦ライン,軍事施設,原子力研究所付近及びゴラン高原の地雷原には,立入禁止区域が設定されています。
軍事施設の写真撮影は,禁止されています。また,宗教関係施設及び聖地等は,場所・時間等により写真撮影が禁止される場合があります。
麻薬の持ち込み及び所持は法律により厳しく禁止されています。発見された場合には,最高20年の禁固刑または国外退去処分を受けることもあります。
東南アジア,アフリカ等からの出稼ぎ労働者が多数就労していますが,国内での就労には就労査証が必要で,不法就労が発見された場合には,処罰または国外退去処分を受けることがあります。なお,近年外国人の不法残留,社会保障が社会問題化しており,就労査証を取得することは困難となっています。
3.一般市民の拳銃所持
兵役が国民の義務となっている関係で国民が銃器の取扱いに慣れており,また許可制で個人の銃器(けん銃)の所持が認められています。市中でも,軍人はもとより,ガードマンや個人が自衛のためにけん銃,自動小銃を携帯しているのを見かけます。
4.テロ行為
テロ行為に関し,国民全体が非常に敏感です。人が集まる場所でカバン等に仕掛けられた爆弾が爆発し多くの死傷者を出したケースが多発した時期もあり,スーパーマーケット,映画館等の公共の建物に入る際は,カバンの中身等の携行品をチェックされることが多くあります。所持者不明の品物は危険物(爆弾)と見なされて処分されますので,自分の持ち物を放置または置き忘れたりせず,また,所持者不明の品物には近づかないよう注意することが必要です。
5.長期滞在者向けの注意事項(在留届)
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
6.ハーグ条約
イスラエルは,国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は,原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。
出典:外務省 海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=044)